T はじめに
近時、中国では、外国の有名なブランドやコンテンツ等を、
中国人第三者が商標として、「冒認出願」する事案が増加しており、
大きな問題となっています。
中国では、インターネットを通じて、
外国のブランドやコンテンツ等を知った者が、
中国で当該ブランドやコンテンツ等が、まだ商標登録出願されていないと、
先に商標出願するケースが発生しています。
中国の商標法は、日本等多くの国の商標法と同様に、
「先願主義」を採用しています。(29条、7章等)
先願主義の下では、
他の第三者が先に当該商標を出願して登録を受けると、
同一又は、類似の当該商標を使用すると、
商標権侵害を理由に訴えられることになります。
例えば、当該商標を付した商品を中国に輸出・販売しようとしても、
商標登録者により販売等と差し止められたり、
損害賠償を請求されたりするおそれがある。
さらには、商標登録者から、当該商標を法外な値段で
買い取るよう要求してくるケースがあります。
U 中国で第三者によって商標出願又は、登録されていた事例
日本企業との関連で「冒認出願」が大きな問題として報道されたものには、
例えば、良品計画の「無印良品」及び「MUJI」というブランド、
並びに「クレヨンしんちゃん」の中国語名及びキャラクターが、
中国で第三者によって商標登録されていた事例があります。
なお、中国の商標登録・出願の状況は、ウェブサイト『中国商標網』で、
ある程度調査することができます。
ウェブサイト『中国商標網』で商標登録・出願の状況を調査してみると、
日本のアニメ・キャラクターは、
中国国内においてもかなり有名なものが数多くあり、
冒認出願の対象にされやすい。
しかも、アニメ・キャラクターは、
服装、靴、帽子、アクセサリー、文房具、玩具、自転車、時計、飲料、
眼鏡等の商標として、何にでも容易に使うことができる。
他方、アニメ・キャラクターの冒認出願に関する紛争が
増加するものと予想される。
また、日本では、2006年4月1日より、地域ブランドを地域団体商標として
登録することが認められるようになり(日本商標法7条の2)、
数多くの登録出願がなされてきているところである。
しかし、地域ブランドの外国出願は、あまり行われておらず、
出願していない外国において、第三者に冒認されるおそれがある。
中国で冒認出願を行う者の目的としては、
日本の商品が一般に品質が良いため、
@高値で売りつけようという目的
A自己のビジネス活動に利用しようとする目的等が考えられる。